第2回市民後見人育成研修 実施要綱

第1 本研修の目的

(1)成年後見制度の現状

高齢者や障がい者の皆さんの判断能力が不十分でなくなると、その
人たちは、普通の人と同じ生活を送れなくなり、問題が生じます。そ
こで、こうした人たちの判断能力を支援して、その人らしく、自立し
た生活を送れるようにする仕組みが「成年後見制度」です。
我が国では平成12年に、認知症や障がい者など物事を判断する能
力が十分でない方について、本人の権利を守る援助者として「成年後
見人」等を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度として成年後見
制度がスタートしました。

最近は高齢化の進展に伴い、認知症高齢者や高齢者の独居世帯・夫
婦世帯が急増し、また支援が必要な障がい者の増加も目立っています
が、この制度の利用は依然として低調な状況が続き、しかも、成年後
見人等は、親族を除くとそのほとんどが弁護士や司法書士、社会福祉
士の専門職の人達で占められているのが現状です。

(2)地域後見と市民後見人

当法人は、判断能力の不十分な高齢者・障がい者の皆さんが「いつ
でも、どこでも、容易に、成年後見制度を利用して、安心した生活を
送ることができる社会を作るべき!」という「地域後見の実現」を目
指して活動しており、その実現のための主役は市民後見人であると確
信しております。

平成28年5月、成年後見制度の利用促進に関する施策を総合的か
つ計画的に推進することを目的とする「成年後見制度の利用の促進に
関する法律」が施行されました。これを受けて「成年後見制度利用促
進基本計画」が平成29年3月、閣議決定されました。そのなかで市
町村は「中核組織」を立ち上げるなどして、住民が成年後見制度を身
近に利用できるよう求められています。

このような情勢の中、当法人は平成29年、「第1回市民後見人育
成研修」を実施しましたが、今回、本研修実施要綱に基づき「第2回
市民後見人育成研修」を実施し、地域の皆さんのニーズに十分応え得
る市民後見人を育成して、地域社会の熱い期待と信頼に応えることと
いたしました。

第2 第2回育成研修の概要 

(1)   育成研修の主催者等
ア 主 催 者:NPO法人成年後見安心サポートネット熊本

イ 後  援 者:熊本県、熊本市など周辺自治体、福祉団体、
                 熊本日日新聞社、RKKなど報道機関などに
幅広く
               お願いします。

  () 研修受講者
      ア 対象人員
         予定人員は40名とし、すべて公募とします。

      イ 応募資格
       熊本県民で40歳以上。ボランティア活動に情熱がある方であば、
          国家資格や専門的知識の有無は問いません。後見人として自分の
          力を伸ばしたい方、当法人の指導者としての活躍を志す方に積極的
          に応募していただくようにします。

             ウ 公募方法
                  ① 市町村の広報紙掲載(市政だより等)
                  ② 新聞への情報提供等メディアの活用、新聞広告
                  ③ チラシの配布
                  ④ 当法人のホームページ、定期刊行物「安心の広場」の活用

              エ 受講料
                    一人1万円(教材費等一切を含む。)

              オ その他
    
      「受講者募集要項」は別途定めます

 () 研修計画の概要
      ア 目 的
          本研修では、後見人等の職務の遂行に必要な知識及び技能の習得を
     図る。

      イ 研修日時及び場所
        ①開催日:令和4年12月3日(土)~令和5年3月18日(土)日の間の
              第1、第3土曜日 

        ②時 間:各日とも10時~17時(1日6時間)、延べ48時間
        ③場 所:熊本県婦人会館県民研修センター
                860-0844 熊本市中央区水道町14-21
               
 TEL096-354-5650 FAX096-322-8174

      ウ 研修科目・時間・講師(別紙カリキュラムの通り)

(4) その他
        市民後見人育成研修修了者
           本研修を修了した者には、当法人で「市民後見人育成研修修了
        者」としての認証を行います。

       イ 会員としての活動 
      
 受講者が研修修了後に、当法人の指導、助言等を受けながら
            「市民後見人」として活動しようとする場合には、当法人の
            「正会員」として登録することができます。また将来、市民後
             見人として活動することを視野に、後見問題や相続問題
            (遺言など)について勉強を続けたいという場合は「賛助会員」
             となることができます。
             いずれの会員も当法人の毎月の研究会等への参加が認められます。

           また会員登録した正会員のうち、その意思と能力を踏まえたうえ
             で、家庭裁判所に対して法定後見の市民後見人候補として登録し
             ていただくよう申請することも予定しております。


第3 育成研修の実施効果 
 
 (1)急増する需要に対応

       認知症高齢者はもとより、独居老人、夫婦だけの高齢者世帯の急
     増に伴い、後見人の需要は幾何級数的に増加すると見込まれます。
     こうした事態に適切に対応するためには、既存の親族後見人、専門
     家後見人以外で、一般市民から育成したボランティア活動に情熱の
     ある市民後見人が誕生することによって、これらの国民的ニーズへ
     の対応が可能となります。

  (2)地域福祉の増進に寄与
       市民後見人は、「地域後見」の理念に基づき、全国津々浦々の各
      地域、地域で草の根的に活動しますので、地域住民に対する成年後
      見制度の周知と理解の促進に役立つことはもとより、地域の資源を
      有効に活用して行き届いた後見を行うとともに、地域包括ケアシス
      テムと連携しつつコーディネーター的役割を果たし得る存在とな
      ります。

  (3)良質な後見サービスの提供
       市民後見人は、ボランティア活動を視野に入れて活動しますので、
     高齢者や障がい者に対して、利用しやすく、精神的な安らぎや身上
     監護を重視した良質なサービスを提供することができます。